「尾瀬三帍の謎」というのは、右の古文書の「ロウ」に当たる字のことです。
この古文書が私の手元に来てから、2か月半ほど経ちました。
この間、「ロウ」に当たる漢字を漢字辞典などで探していました。
そして、結果的には「帍」しかないと、思っていました。
でも、読み方、意味が全く分かりません。
「郎」に繋がらないのです。
謎というものは、突然解け始めることが有ります。
先日、「帍」が戸かんむりであることに気付いたのです。
そして、その下の字、房も戸かんむりなのに気づきました。
二つの字を目を凝らして比べました。
なんと、全く違うではありませんか。
「帍」のかんむりは戸ではなかったのです。
そこで、別のことを考え始めました。
太郎、次郎、三郎、四郎は、何百年も前から日本人の男性の名前に頻繁に使用されてきました。
筆で名前を書くときにどうしたのでしょうか。
芸能人のサイン文字を思い浮かべました。
普通は読めませんよね。
もしかしたら、「郎」の省略文字、あるいは崩し文字ではないのか・・・と。
早速、県立図書館に行きました。
今の図書館は、よろず調査の相談窓口があります。
そこで渡されたのが、右の本です。
本の題名が「三くだり半 からはじめる 古文書入門」です。
「三くだり半」とは「離縁状」のことです。
「郎」の字を持った夫が妻に書いた離縁状には「郎」の字はどのように書かれているのか。
48~52ページに「郎」の字が載っていました。